アーユルヴェーダ  ~chapter1~


アーユルヴェーダとは、5000年前にインドに誕生し伝承されてきた医学で、世界最古の母なる医学ともいわれています。
アーユルヴェーダとは、

サンスクリット語で「アーユス=生命」「ヴェーダ=科学・心理」
ふたつを合わせアーユルヴェーダ=「生命の科学」「生命の智慧」という意味となります。
医学ではありますが、病気の治療だけを目的としてせず、病気の予防、健康の維持、促進や若返りなど、トータルで健康体を目指す「科学」といえます。

 

今から5000年前、古代インドの聖者リシ達によって、病気に苦しむ人達のために啓示されたことにさかのぼるといわれています。
そして、3500年前には、宇宙の法則や生き方の知恵などがヴェーダ文献に記され体系立てて記録されました。
紀元前15世紀頃に著されたとされる「リグ・ヴェーダ」「サーマ・ヴェーダ」「ヤジュル・ヴェーダ」「アタルヴァ・ヴェーダ」という4つの文献のなかから生命に関する知識を集大成したものが、現在も実践されているアーユルヴェーダです。


その後アーユルヴェーダは、チベット、ペルシャ、中国、タイ、スリランカ、インドネシアなどのアジア各国に伝えられました。
タイ式マッサージ、インドネシアの伝統薬ジャウム、そして中国の東洋医学の基礎もアーユルヴェーダからきています。
各国の伝統医学はインドを中心として広まり、浸透していきました。

アーユルヴェーダ と言葉だけ聞くと難しいもののようですが、
最近耳にする、デトックス、若返り、 の考え方はもともとアーユルヴェーダからきています。
知らないうちに、身近なところに取り入れられています。
考え方の基本はとてもシンプルです。
自然のリズムに合わせ生活し、体本来の力を引き出せる状態にしていくこと。
ヨーガも瞑想もマッサージも食事法もアーユルヴェーダの体系のなかのひとつです。
自然のエネルギーを意識し、五感を育み、心と体の状態を優しい言葉で説明し、個人が本来もっている性質、年齢にあった生活を送ることの重要性を説いています。
そうすることで、体は自然治癒力やホメオスターシス(生体の内部や外部の環境が変化しても、その後生体の状態が一定に保たれること)を発揮し
心は愛や優しさ、平和に溢れ、そして意識は直感力や正しいことを知る力を高めることが出来るといわれています。


では、個人がもっている性質とは何でしょうか。
アーユルヴェーダでは、すべてのものに、地、水、火、風、空の5つの
自然エネルギーが働いていると考えます。
気象などの自然現象はもちろん、人の体もそのエネルギーの影響を受けています。
アーユルヴェーダでは個々の性質をプラクリティという言葉であらわします。

 

風、空の性質を持ち合わせている人 ---- 「ヴァータ」
火、水の性質を持ち合わせている人 
---- 「ピッタ」
地、水の性質を持ち合わせている人 
---- 「カパ」


どれかひとつ、という人は少なく大半の人は複合性質を持ち合わせています。
自分の性質を知ることで特徴がわかり、自分を知る道標になり、また、人それぞれの個性を認められるようにもなります。
そして、性質が違えば体の個性も違うため、体のケアへのアプローチも違ってきます。

心と体の状態をわかりやすい言葉で表現し、一人ひとりの本質に合わせた生活のコツを教えてくれるアーユルヴェーダ。
自分本来の力を発揮しイキイキと過ごすための世界最古の体系的な健康法です。